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Vol.125 ベーコン購買力の地域傾向

 

 今回のレポートは、主に弊社のWEB上での無料マッピングサービス「47maps」を使用して、統計データとそこから見える傾向を簡潔にまとめたものです。
 本レポート以降からは、47mapsのデータを用いた内容とそこから見える傾向の考察を主としたレポートを展開していく予定です。

 それでは、さっそく本題に入っていきますが、まず始めに「47maps」についてご説明いたします。

 

47mapsとは?

 47mapsはWEB上で利用できる無料のマッピングサービスです。
 弊社が提供する各種統計データにより地図を色分けし、道路や施設の情報を重ね合わせて見ることができます。
 詳細はこちらをご覧ください。

about

 

 それでは本題に入っていきたいと思います。
 本レポート第一弾は「世帯当りベーコン購買力」の地域傾向です。
 お中元やお歳暮といったギフトに用いられることも多いハムやベーコンといった加工肉製品。
 これらの消費購買力の中で、ベーコンで高い購買力を示した北海道について、3つの観点からその原因を推察してみたいと思います。

 

1.データの確認

 まずはハムやベーコンの消費購買力データをご紹介します。
 図1は今回のメインであるベーコン購買力、図2はハムの購買力データを47mapsにて表示させたものです。

 市区町村別の区分となっており、塗分けの色が赤に近づくほど購買力が高い(消費支出額が高い)ことを示します。(いずれも2016年時点。描画の都合上一部の離島・島嶼部は割愛、沖縄県は右下黒枠内に表示)
 また、地図中に数字の書かれたラベルがありますが、これは全国の市区町村の中でベーコン購買力の高い上位5市区町村を表示したものです。
 図1を見てもらうとわかりますが、北海道は高購買力を示す赤い塗分けが多く、全国の市区町村におけるトップ5がいずれも存在しています。これらのことから、今回は北海道にフォーカスしています。
(画像クリックで47mapsサービスにリンクします)

 

[図1]ベーコン購買力
[図1]ベーコン購買力

 

[図2]ハム購買力
[図2]ハム購買力

 

 上記の図1,2を見ると、北海道ではハム購買力は全国と比較して低い傾向にあり、対してベーコンの購買力は高い傾向にあることが確認できます。
 同じ加工肉製品という分類ですが、両者への支出傾向に大きな差が出ています。

 なぜこのような傾向を示しているのか、次章ではその理由について探っていきたいと思います。

 

2.3つの観点からの推測

2-1.保存食としての加工肉製品

 ハムやベーコンといった加工肉製品はもともと保存食として作れられたものです。
 特に、寒冷地帯等のような安定的な食料確保が難しい地域ではその必要性は極めて高いものになります。
 冷蔵・冷凍技術や他の保存技術の発達は近年になってからであり、地域的な傾向として、北海道・東北等の比較的寒い地域では保存食にかかわる食材の購買力・支出額が高くなる傾向にあります。

 一口に保存食といってもその種類は多岐にわたり、他の保存食に対する支出もあるということを考えると、「加工肉製品」という同じ分野の保存食を両方とも購入する必要性が薄い(どちらかを購入すればよい)と仮定できそうです。
 ではなぜハムへの支出額が低く、ベーコンへの支出額が高くなったのか、次の項目で考えてみたいと思います。

 

2-2.加工内容と地域性

 保存食に限ったことではありませんが、地域で伝統的に食べられてきたものや、主産地となる食べ物は消費購買力が高くなる傾向にあります。ここでは、そういった地域性も含めた考察をしたいと思います。

 ハムとベーコンはどちらも加工肉製品の保存食ですが、その製法には若干の違いがあります。どちらも塩漬けし熟成させるのは共通ですが、ハムはその後ケーシング(型詰め)、燻製、スチーム又はボイル等の加熱処理という工程をとるのに対し、ベーコンは熟成後そのまま燻製にするのが特徴です。

 ちなみに、北海道では古来よりアイヌ民族によって鮭とばが作られてきました。鮭とばは鮭を半身にして海水で洗って干したものですが、中には燻製の工程を加えたものもあるようです。

 加えて、近現代ではスモークサーモンの国内生産、商品化が北海道で行われるなど、燻製とのつながりの強い地域で、気候条件も燻製を行うのに比較的適していました。保存食として考えると、燻製後にひと手間かけるハムよりベーコンの方が実生活に即していたのかもしれません。

 また、明治時代の初めには国内でのハム製造が始まっていましたが、当時ハムは超高級品という扱いだったそうです。このような時代背景と先の地域の伝統文化が今にも続いている可能性があります。

 

2-3.ベーコンを使った料理を作るのに適した食材の生産量が多い

 一緒に料理する具材もベーコン購買力を押し上げている可能性があります。
 但しこの推測については、ベーコンが好まれるようになった後さらにその購買力を伸ばす要因としての意味合いが強いものになります。

 ベーコンを使った料理として想像しやすいもののひとつとしてベーコン巻きが挙げられるかと思います。
 料理レシピをネットで検索してみると、具材としてアスパラガスやブロッコリー、えのき、じゃがいも等が挙げられていました。

 北海道はこれらの食材のいずれも生産量が多く、産地の新鮮な具材と合わせて手軽に作れる点も高購買力の要因となっていそうです。
 他にベーコンと相性の良いほうれんそうに対する消費購買力も北海道・東北で高く、こちらも要因の一つと考えられるかもしれません。

 

3.まとめ

 北海道でベーコンに対する支出額が高くなっている理由付けとして、

・太古からの保存食文化の影響
・料理への応用性と組み合わせる具材の入手しやすさ

 といった観点が考えられます。
 もちろんこれらがすべての要因だと決定付けられるわけではありませんが、可能性の一つとして推察をしてみました。

 今後も、このように地域傾向が強く表れているデータ等を用いて、簡単な考察をご紹介していきたいと思います。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

参考資料

エーデルワイスファーム
https://www.someplace-else.com/

王子サーモンの歴史 | 王子サーモン
https://www.oji-salmon.co.jp/history/

燻製の雑学 | ずっと燻製
http://smokeep.jp/12-learning.html

 

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