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Vol.113 ギャンブルやりますか!?

 

 2018年7月20日カジノを含む統合型リゾート(IR)いわゆる「カジノ法案」(以下、カジノ法案)が成立しました。
 これにより、雇用促進と経済効果が生まれると言われています。
 その反面、治安悪化やギャンブル依存症の増加などの懸念もあります。

 今でも、私たちが生活の中で目にする競馬・パチンコなども、近年ギャンブル依存症の吹き溜まりとして懸念されてきております。
 では、普段私たちの生活の中で身近なパチンコ業界はどのような変遷をしてきているのかを見てみましょう。

 

1.パチンコの歴史

 庶民の身近な娯楽施設として現在国内各地に設けられていますが、その歴史は古く、このような遊技施設は1930年に最初の店舗が名古屋で開店したらしいです。
 戦前からあったとはびっくりです。

 太平洋戦争時にはパチンコは不要とされ全面禁止されていましたが、終戦後の1946年に復活をしています。
 その後、現パチンコメーカの会社がいくつか設立されていき、1953年にブームが到来したそうです。
 翌年には行き過ぎる内容により、規制が掛かりブームは終わりを迎えたそうです。
 現在も、同じようにブームが起きると規制が掛かるのはこの頃が始めなんですね。

 1960年に「チューリップ」が登場し、再度ブームが到来、1972年には電動式ハンドルが登場。
 今では当たり前の電動式はこの頃に出来たのですね。

 1980年代に入ると、デジパチや羽根モノ、権利モノなどが登場し、多様なパチンコが登場。
 さらにカードシステム(CR機)も登場しブームが再度到来しました。

 1990年代頃には、車に子供を置きざりにして遊技に熱中する親などが問題視されるようになりました。

 2000年代に入ると今度はギャンブル依存症が問題視され、規制が益々強化されていく事となり、今日に至っています。
 さらには、2011年には機体の宣伝を自粛する規制も入り、衰退への道を歩んでいきます。
 また、2018年にも更なる出玉規制が入り、パチンコ離れに拍車が掛かっています。

 では、同じパチンコ店にあるスロット機はどうなのでしょうか?

 

2.スロットの歴史

 パチンコとは違い、スロット機出現は意外にもつい最近の出来事でした。
 スロット0号機といわれるパチンコ台の枠に設置できる現在の機体として確立されたのは、1980年のこと。(現岡崎産業のパルサー)
 1985年には、スロット1号機が出現。スロット人気を向上させました。

 向上させたことを皮切りに、スロットでも初の規制が入り、1988年スロット2号機が出現しました。
 しかし、この2号機も改造版の流出が多く、わずか2年で廃止となり1990年に3号機が出現しました。

 3号機では、爆発的な出玉で人気に拍車がかかり、規制を余儀なくされました。
 こちらも、わずか2年で廃止となり、1992年に4号機が出現しました。

 規制が掛かったにも関わらず、この4号機がスロット人気の最盛期を迎えることになりました。
 その理由は、規制の穴を付く事で、出玉の大量獲得可能な機種が出現したためでした。
 この4号機で、CT機・大量獲得機・ST機・AT機など出現し、ギャンブル依存症を多く生むことになったのでした。
 なんと、1日に100万円を稼げる台も出現したのでした。逆に投資金額も上昇していき、社会現象にもなりましたので「ミリオンゴット」や「ゴールドX」などの機種を聞いたことがある方も少なくないのではないでしょうか。

 これに伴い、規制も大きく変わり2005年に5号機が出現し、出玉が大幅に減り客足も遠のいていきました。
 パチンコと同様に2018年に出玉規制が入ったため、今後さらにスロット離れが進んでいくと思われます。

 これらの歴史を踏まえて実際にどのように、移り変わってきたのかデータを使ってみて見ましょう。

 

3.パチンコ人口・パチンコ店舗・遊技台の推移

 2004年から2016年までの12年で約35%のパチンコをする人が減少しています。それに伴い、店舗数も約30%の減少を見せています。
 ただし、遊技台はわずか8%の減少しかしておらず、パチンコ人口が減っていくなか、各メーカーが様々な機種を世に送り出し、どこにニーズがあるかを暗中模索しているようにも思えます。
 パチンコ人口データは当社推計データなので、確かな数値という訳ではありませんが、当時、実際に店舗に足を運ぶと、スロットゾーンを減らしてパチンコゾーンを増やしたり、その逆もあったりしてたなと記憶しております。

表1:パチンコ人口・パチンコ店舗数・遊技台の推移表

 また、グラフにしてみてみるとさらに分かりやすく表現されます。
 最初にお話しした、歴史を踏まえてみると、スロットの5号機出現以降、パチンコ人口が大きく減っているのが分かります。
 また、宣伝規制が入った2011年から2012年にかけても、宣伝がなくなった為か大きくパチンコ人口が減っているのも分かります。
 ※ちなみに、パチンコ人口にスロットが含まれているかは調査回答次第の所もあるため、筆者の推測です。

 さらに、遊技台の推移グラフをみて見ましょう。

グラフ1:パチンコ人口と店舗数の推移、グラフ2:遊技台設置台数と店舗数の推移

 スロットの5号機が出現した後の2006年までは、スロットの設置台数が増加傾向にあったのが2007年には一気に減少しているのが分かります。

 それに伴い、スロットでの集客が見込めなくなったため、店舗・メーカサイドがスロット台からパチンコ台にシフトしてきたのか、パチンコ台数が増加しているのが分かります。
 この頃、スロット専門店の店舗は閉店したり、「パチンコ始めました」の幟を見かけることが多くなったことを記憶しております。

 2016年以降にも出玉制限等の規制が強化されており、今後さらに低迷することが予想されます。
 パチンコ店が減ったな。。と感じていたのが、データにするとハッキリ見えてきました。

 では、どんな人がパチンコをやっているか、いくつかの角度で見てみましょう。

 

4.年齢別・収入別のパチンコ人口

 パチンコ人口を年齢別・収入別に見てみましょう
 <表2>のパチンコ人口比率(人口に対してパチンコをやる人の割合)を見ると、働き盛りの方達の年代がより多くパチンコをやる傾向があるように見え、もしかするとストレス発散の一部としてやっているのかもしれませんね。
 収入別に見てみると、「最も多いのは「300~500万円未満」ですが、500万円以上世帯の人でも行動率はあまり変わらない」というイメージです。

 <グラフ3>人口の構成比を見てみると、割合は「45~54歳」が22%で多いものの、どの年代も似たりよったりなのでした。

 <グラフ4>収入別の構成比の方は、約8割が500万未満の構成でした。

 学生を含む300万円未満の階層については、行動率は低いけれどもこの階層に含まれる人口規模が大きいため、パチンコ人口も多くなるようです。
 結局、数の多い300万円未満の階層にパチンコメイン層の300~500万円未満を含めた、”夢を持った”低収入層が、パチンコ店や業界を支えているということかもしれません。

表2:パチンコ人口の年齢別・収入別の人口と比率

グラフ3:年齢別パチンコ人口構成比、グラフ4:収入別パチンコ人口構成比

 ここまでは全国的にパチンコをやっている人の特性を見てきましたが、地域の特性があるのかも興味が出てきたので、見てみました。

 

5.都道府県別のランキング

 各都道府県別にどんな特性があるのか、もしくはないのかをみてみました。

表3:都道府県別のパチンコに関するランキング

 パチンコ人口のランキングは、予測通りの結果になりました。
 上位の都道府県は元々の人口が多いので、その分パチンコをやる人口も多いという結果でした。
 やはり、統合型リゾート施設はこの上位にある都道府県になるのでしょうか。

 パチンコ人口比率のランキングは面白い結果ですね。
 人口に対してパチンコする人が多いのは「福井県」とは。。
 比率でみると、大都市が含まれる県が少ないのが特徴的でした。

 パチンコ店舗数のランキングは、比率が高い「福井県」が1位かと思えば、10位に落ち着き、1位はなんと、「茨城県」でした。
 何故かパチンコ店舗が多い。東京都の約2倍も店舗数があるのも驚きです。

 1店舗当りの遊技台設置台数のランキングは山梨県でした。
 これは、パチンコ店あたり何台遊技台を設置しているかを表したものです。
 山梨県は店舗が広いパチンコ店が多いですかね。

 遊技台1台当りパチンコ人口では、やはり福井県がトップを飾りました。
 1.5という数字はパチンコを行う人以上に遊技台があることになるので、台移動は容易にできますね。
 また、茨城県は店舗がありすぎて、飽和状態な感じがします。

 1店舗当りパチンコ人口では、埼玉県が1位でした。
 1店舗の来店可能人数としてみると大型施設が多いのか、店舗数が足りていないのか気になるところではあります。

 では、次に店舗に設置されている遊技台では、パチンコの割合とスロットの割合がどのようになっているのかみてみましょう。

 パチンコ比率を見てみると、鹿児島県が1位でした。
 パチンコ発祥の地愛知県が入ってくるかと思いきや、ランキングにも出てきませんでした。
 上位の都道府県の人たちはスロットよりパチンコ派が多いようですね。

 スロット比率を見てみると、沖縄県が圧倒的にスロット派なのが分かります。
 さすが沖スロですね。ここまで圧倒的だとは思いもしませんでした。
 2位の岡山県も意外でしたが、有名なスロットメーカ「山佐」があるので納得です。

 

6.おわりに

 いかがだったでしょうか?
 身近なパチンコを題材にして、歴史を見たり分析をしてみると、カジノ法の良し悪しも見えてきたのではないでしょうか?
 庶民の身近な娯楽として、無くなることがないギャンブル施設。
 そこにイタチごっこのように抑止するような規制の歴史を考えてみると、カジノ法案もパチンコと同様に娯楽として楽しめる部分とギャンブル依存との共存が必要だと思います。
 環境についても、パチンコ店周辺の環境を想像して頂ければ、今後のカジノ法案で出来た施設周辺が想像できると筆者は考えております。
 現在でも、ギャンブルは競馬・パチンコで経済効果が何兆円とも言われ、なくすことができないギャンブル施設。
 ギャンブル全てが悪いのではなく、ストレス解消や遊び程度であれば、地域活性化にも役立てるものだと思います。
 何事もそうですが、行き過ぎた行為は避けなければいけません。

 現在のパチンコに対する出玉規制やパチンコ店にギャンブル抑止する広告を表示する規定があることも、カジノ法案を見据えた内容とも言われております。
 パチンコの状況を考え、カジノ法案も規制による管理、環境保全、趣味で楽しめる程度のリゾートとして存在するのは良いかなと筆者は考えております。

 皆様もカジノ誘致に対して、身近なパチンコを題材に賛成・反対を検討してみてはいかがでしょうか。

 さいごに、ギャンブル依存症の基準(GA基準)として、以下の質問で7項目以上あてはまる人は依存症らしいです。

ギャンブル依存症の基準(GA基準)

 質問の内容を見ると、依存症はギャンブルする自分だけではなくて、周りの人にも影響があるものなんですね。
 みなさんは何項目該当しましたか?

 ギャンブルはほどほどに。。。

 

(出典)Wikipediaより「パチンコの歴史」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B3

Wikipediaより「ギャンブル依存症について」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AB%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87

総務省統計局「平成28年社会生活基本調査の結果」
http://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/kekka.html

全日本遊技事業協同組合連合会「全国遊技場店舗数及び機械台数(警察庁発表)」
http://www.zennichiyuren.or.jp/material/report.html/tenpoindex

 

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